大盛り研究所、所長のユキヒ☆ラボですじゃ。皆さま、今年もよろしくお願いいたしますぞ。
新年好、万事如意! 助手のメイあるよ。
さっそくじゃが、今回のテーマは「カツ丼」じゃ。
カツ丼にはオキさんからリクエストをいただいてたあるけど、時間かかったあるね~。
五大ラーメンみたいに新潟のローカルカツ丼について調べてみたりしたんじゃが、なかなかネタ集めのペースが上がらなくてな。
だったら、わしが一番好きなカツ丼・思い入れのあるカツ丼は、全国的に普及している「玉子とじタイプ」じゃから、まず玉子とじカツ丼への熱い思いを昇華してからにすべき、という結論に至ったのじゃ。
というわけで、今回は開き直って「わしの理想の玉子とじカツ丼」について語らせていただく。小正月の特別企画じゃ。
まとめでも研究でもないある! 掟破りの逆サソリ、じゃなくて、自分語りある!
さっそくじゃが、わしの理想はこんな感じじゃ。思い当たる読者の方もいるかもしれんのう。
- ドンブリで提供される
- 蓋をして提供される
- 卵の半熟度は68%
- 白身と黄身の境界がはっきりしている
- 肉はロースに限る
- 赤身と脂身の比率は7対3
- ラードで揚げたカツ
- 丼つゆ少なめ
最初の「ドンブリで提供される」って、ものすごく当たり前な気がするある。
これはな、お店によっては「カツ丼」という名前なのにお重で出てくることがあるからじゃ。それだと「カツ重」じゃろ? カツ丼を名乗るなら、やはりドンブリで出してほしい。
器なんでもいい、中身おいしいが大事。「花より団子」ある。
確かに一番大事なのは味じゃが、「器は食えぬが役に立つ」もまた真なり。どんぶりで食べることで、より美味くなる。
昔、ためしてガッテンで「カツ丼をガーッとかき込んで食べると、脳内麻薬が出て、その快感でおいしさが倍増する」みたいなのをやっとったんじゃが、それにはどんぶりが最適じゃと思う。お重だと、どんぶりのようにはかっこめないからのう。
ワタシの脳は「値段が安いと麻薬だす」あるよ。2の「蓋」も中身に関係ない話。
これはカツ丼に限らんのじゃが、丼ものには蓋をするのが正しい演出だと思うぞ。蓋を開けて中身と対面する儀式、いわゆる「開封の儀」があることで、感動のレベルが一段上がる。
スティーブ・ジョブズがiPhoneの箱のデザインにこだわったのと同じじゃな。彼もカツ丼が好きだったに違いない。
ジョブズはベジタリアンあるよ! お魚はOKな流派だったみたいあるけど。
蓋にはもうひとつ、「おしんこの小皿をのせる」という大事な役目もある。おしんこ小皿がのった蓋付きカツ丼こそ完全体、パイルダーオンしたマジンガーZ、ファイヤーオンしたグレートマジンガーじゃ。
グレンダイザー、乗り方が違うから仲間はずれある‥‥。3の「卵の半熟度68%」って、微妙で難しそうあるね?
それはニュアンスじゃ。細かく刻んでみたが、数字自体には特に意味はない!
ズッ!!
ぬう! そのコケは、なぜか笑介! お主、どこでその技を‥‥
民メイ書房の通信教育で身につけたあるよ。そこまで刻むなんて高山係長もビックリある。
火が通りすぎても困るし生すぎても困る、というとことじゃ。半熟玉子による一体化でカツ煮が完成するわけじゃからな。
4は、「白身と黄身の境界がはっきり」。
そのほうがビジュアル的に美しい。ことカツ丼の玉子においては、国境なき医師団でも「ボーダーレス化には反対」と言うじゃろう。
言わないあるよ。まあ、ワタシも完全に卵を溶き切らないほうが味濃く感じて好きあるね。5の「肉はロースに限る」って、もう完全に個人の趣味ある。
あくまで「俺のカツ丼」じゃからな。理想のカツ丼像は人それぞれにあっていいが、わしにとってはロースのトンカツをカツ煮にしたのがカツ丼のアタマなんじゃ。
ロースカツは男のロマン。「最近、ロースだと胸焼けしちゃってさぁ~」という方もおられようが、男の子は後悔しそうなことほどやってみたくなるもんじゃ。おじさんよ、ロースを抱け! オールドボーイズ、ビー・ロースカツ!
女の子だってロースカツ食べたいある! ガールズ・ジャスト・ワナ・ハブ・ロースカツ!
おお、食べなさい食べなさい。ハイスクールはローステリア、じゃ。
ヒレカツの上品さよりロースカツのパンチ力を選ぶのが21世紀の女子。「ラーメン大好き小泉さん」のスピンオフ、「ロース大好き鈴木さん」も大人気じゃぞ。
大ウソある。6の「赤身と脂身の比率は7対3」もニュアンス数字あるね?
まあな。じゃが、赤身オンリーなのはロースカツと呼べん。はじっこの脂身もまたロースカツの一部じゃ。
7の「ラードで揚げたカツ」もじゃが、豚脂を否定してはいかん。トンカツはラードで揚げてナンボ、ラードの香り・ラードで揚げたサクサク衣があってこそ。「あぶらみに身を委ねよ」とシディアス卿も言うとるぞ。
そっちはポークの暗黒面あるよ! 8の「丼つゆ少なめ」は?
ご飯への丼つゆ染み込み度は、「カツ下3センチメートル」がわしの理想なんじゃ。少数派の意見かもしれんが、これは譲れんぞ。
ショージ君やクッキングパパの田中君が言うように、カツ丼はご飯の断層面を鑑賞しつつ食べるのが正しいのじゃ。ぜひ下の層の「白飯の純潔」を守ってもらいたい。
ごはんの味の変化も楽しめるあるね。でも、そこまで言うならいっそカツ煮をおかずに白ごはん食べればいいのでは?
それだとかっこめないじゃないか。「カツ丼」というフォーマットから外れると、脳内麻薬が出ない。
思うに、カツ丼は矛盾の塊、一種の愚行じゃ。カツをカラッと揚げておきながら、甘辛い汁で煮て、ドンブリめしにのせてしまう。
「揚がった直後がカツの旬」という立場から見れば、カツ丼は愚の骨頂・ゲスの極み。じゃが、その愚行の向こうにこそ藤山寛美が、いや、「背徳的な甘美」が存在するのじゃ。
???
そして、「カツ丼」という言葉には、霊力が宿っておる!
なんかウサンクサいこと言い出した!
「カ」「ツ」と来て「ドン」で締める。歯切れ良い、力強い! 声に出すと快感じゃ! 親子丼や海鮮丼ではそうはいかん。
それに、カツ丼とはすなわち「勝つ丼」、縁起物じゃ。受験や商談の前にカツ丼を食べる、これこそ究極のゲン担ぎ。カツ丼食ってドンドン勝つ、じゃ。
勝った結果が日本の経済高度成長期、すなわち、経済大国日本を作ったのがカツ丼。わしの人生も、どれだけカツ丼に助けられたことか!
‥‥。
背徳・愚行・ゲスの極みであるにも関わらず、霊力を秘めた名前を持ち、勝利をもたらす縁起物、それがカツ丼。
ビバ、カツ丼! カツ丼は偉大なり、カツ丼は大いなる矛盾なり!!
‥‥ん? 泣いておるのか、メイ?
こんなにカツ丼を語る人、初めて見たある。
はっはっは、感動したか?
いや、なんかカワイソーで涙出た。
ギャフン!
~ 劇終 ~
タイトルはキューブリックだったのに、最後は香港のカンフー映画みたいなのが出たある。
うむ、暴走してしまったな。タレカツ丼などについては別にまとめる予定なので、どうかお許しくだされ。
ちなみに、カツ丼の記事一覧はこちらじゃ。タイトル下の「カツ丼」タグのリンクをクリックしても表示されますぞ。
皆さんの理想のカツ丼もぜひ教えていただきたいものじゃ。では、また次回お会いしましょう~。
またねー ノシ
カツ丼は確かに愚行ですね。天丼・カツカレーも。でも大好きなメニューです。
個人的にかつ丼かカツカレーかと選択を迫られたなら、迷わず「カツカレー」です。
カツカレーバージョンも研究所でお願い致します
「背徳の美学」とも言えるかもです。無論「カツカレー」も大好物です!!
所長とメイに、伝えておきますね。
都食堂のかつ丼・・・。
また食べたいな。
お店の前を通るといつも祈るような気持ちです。2台くらいトラックが停まってるようです。
祈・都食堂復活!!(^^)
つゆ少なめに賛成です。
自分の場合は喉をカツとコメが押し合いへし合いしながら
胃袋に飲み込んで行く感じが好きなんです。
(これは同意する人いないかも・・・)
だからつゆだくだと喉を押す感じが少ないといいますか。。
説明が難しいですが^^;
「ぐいぐい押し込んでく感じ」ですね。わかります、わかります! そうそう、そうですね、丼物をかっこんでく・・とは、その感じが欲しいのかもです。