駅で言えば宮内のほう、「らーめん惣右衛門」。
青島食堂を筆頭とする、いわゆる「長岡生姜醤油ラーメン」のお店です。そちら系の新店の中でもかなりの本格派、と思います。
近年、映画などで「リブート」ってのが流行ってますね。バットマンやスパイダーマンみたいな長い歴史を持つ作品に現代的解釈を加えた、若い世代からも新たなファンを獲得する新シリーズ。日本語に訳すと「再起動」。
こちら、惣右衛門には「長岡生姜醤油ラーメンをリブートしているお店」というような印象を持っています。デフォの「らーめん」はこんな感じ。
醤油の色がとても濃いですが、しょっぱいだけでなく、しっかりとした風味と味のある、美味しいスープです。
具は、チャーシュー、海苔、ナルトに、コリコリのシワシワ系メンマ、そして、ほうれん草。ほうれん草は長岡生姜醤油のアイコンと言える存在、このラーメンの型をキチンと踏襲するにはやはり欠かせませんよね。
長岡生姜醤油ラーメンといえばたっぷりのチャーシューですが、このご時世、デフォのラーメンでは肉少なめなことが多いので、チャーシューメンを食べたいところ。
しかし、こちらの「らーめん」は、かなり頑張った量のチャーシューを入れてくれてます。かつての青島食堂的。青島のノーマルラーメンも、昔は「チャーシューふっとつ」でしたよね。
「‥‥? フットツ?」
非新潟弁スピーカーのために説明しよう! 「ふっとつ」とは「多い」「たくさん」を意味する新潟弁なのだ!
ちなみに、こないだ嫁とこんなやり取りがありました(嫁も私もネイティブな新潟県人)。
嫁:ほら、ふっとつらっけ、こぼすな!(標準語訳:ほら、「ふっとつ」だから、こぼさないでね!)
ユキヒロック:それ、久しぶりに聞いた。「ふっとつ」って何だ?
嫁:「いっぺ」ってことらっや!(標準語訳:「いっぺ」ってことですよ!)
「いっぺ」は、「いっぱい」の新潟弁。「a cup of」でなく「many」のほうです。方言を翻訳した結果がまた方言、これぞ新潟弁ダブルスタンダード(笑)。
‥‥だっけ何だや?(標準語訳:だから何なの?)
「多い」「たくさん」「いっぱい」は、西蒲原郡に多い言い方だと「がっと」かな? ガット! なんかジェームス・ブラウンみたいじゃないですか?
南蒲原郡では「ごって」? 「ぐっつら」も当てはまりそうだけど、ニュアンス的にちょっと違うかな?
あ、話がまたごーぎちごーとこいったすけ、かんべんの(標準語訳:あ、話がまたとても違うところに行ったので、ごめんね)。
原作の魅力を損なわず、それでいてとてもシリアスでリアルな新解釈でアレンジされた、リブート版・長岡生姜醤油ラーメン。とても好感の持てる一杯です。惣右衛門、いいね!
ごちそうさまでした。。。。
お店の住所:長岡市平島3-105
追記:大変残念なことに、2021年9月20日をもって閉店されたそうです。