やぁ、またお会いしましたね。大盛り研究所・所長のユキヒラボでございます。今回のテーマは三条市民ならみんな知ってる「ひな鳥金子の半羽から揚げ(ひなどりかねこのはんばからあげ)」です。
ご当地の食文化を面白おかしく紹介する、例のTV番組で少し有名になったようです。わたくしも強い思い入れのあるメニューでございますので、今回は一段と熱い研究発表になりそうです。ダジャレも多めでお届けします。
もくじ
これが半羽から揚げだ!
半羽からあげは若鶏(ひな鳥)の半身を使ったから揚げで、「半羽揚げ」とも言います。百聞は一見にしかず、まず写真をご覧いただきましょう。とり唐揚げだけに、まさに!「鳥瞰図」的な構図で撮影に成功しました! ばばーん!(大げさ)
基本スペック
- 全長
およそ25センチメートル。
- 総重量
およそ400グラム。
- 厚み
キヨシ。「わたくし、生まれも育ちも葛飾柴又です。帝釈天で産湯を使い‥‥」
すんません。最厚部でおよそ6センチメートル。 - 色
眩しいくらいの黄金色(こがねいろ)。
- 香り
強力な加齢臭、じゃなかった、かぐわしいカレーの香り。
- 味
スパイシーなカレー味。一度食べたら癖になる旨さ。
- 食感
皮はパリパリ、肉はジューシー。
- 提供形態
イートインでは、キャベツの千切り&パセリ付きで供される(上の画像を参照)。テーブルにレモン汁があり、たっぷりかけて食べると乙な味に。
テイクアウトの場合は、ホイル焼き風に半羽ごとにアルミホイルに巻かれている。 - 価格
680円。ただし、春先と年末に約2週間の感謝祭セール期間があり、その間は500円になる。
セール期間中は特に大人気となるが、やや小ぶりになる傾向あり。鶏の成長が間に合わないのかも?w
これと似たカレー味の半羽揚げは、三条市以外でも、新潟市の「せきとり」、五泉市の「とりかん」他、いくつかのお店で提供されています。どこのお店を発祥とする料理なのか定かでありませんが、三条市での元祖のお店は「ひな鳥金子」だと思われます。
ひな鳥金子について
ひな鳥金子の公式サイト(正常に表示されない場合は最大化するなどしてウィンドウサイズを変更してみてください)によりますと、現在の直営店は以下のようになっております。
- 本社:三条市東光寺2367
- 今町店:見附市今町5-41-27
- 本成寺店:三条市桜木町24-14
- 東三条店:三条市東三条1丁目12-17
今町店と本成寺店は店内でも飲食可能、他はお持ち帰り専門になります。
本成寺店は主にお酒と一緒にいただくお店で、今町店は定食・お食事に重きをおいている感じです。おそらく今町店の定食と思われる動画も見つけましたので、ご参考までに。 → 「新潟県名物ハンバ唐揚げ カレー味」
「ひな鳥金子」という名前のお店は、直営店以外にも各地で存在が確認されています。有名なところでは長岡の新保でしょうか、看板を見つけた時は驚きました。FC店?暖簾分け? 提供されている半羽から揚げもそっくりです。住所は長岡市新保1丁目5-37、ホームページもあります。
美味しさのひみつ
ひな鳥金子の半羽からあげは何故に美味しいのか? 公式ホームページで説明されていますのでご紹介しましょう。
生産・処理・加工の一括管理、当社は安全と品質にこだわり、新潟県三条保健所管内で唯一食鳥処理事業所として許可を取得。
確かな知識と技術で飼育管理にこだわり、三十日前後育てた安全で柔らかい肉だけを使用、鶏肉の苦手な方にも味わって頂けるよう、当社独自の味付け(カレー味)で仕上げました。
なるほど、美味しさのひみつは「一括管理」「育成」「独自のカレー味」にあるようです。なにゆえカレー味になったのかは分かりませんが、すごい発明だと思います。揚げたての香りは美味しさを倍にしてくれます。
ユキヒラボ的「半羽道」のすゝめ
三条市民のソウルフード・ひな鳥金子の半羽から揚げの楽しみ方は、半羽道(はんばどう)と呼ばれます。ってか、いま名付けました。道場主ユキヒラボが、半羽道についてご紹介します。
骨まで愛して食べるべし!
初めて食べる人はどうやって食べたら良いのか迷ってしまうでしょうが、正式な食べ方は足を肩幅大に広げ、左手を腰にすっとあて、右手で握った半羽を一気に喰らうべし!
というのはもちろん大嘘で、決まった食べ方とかはありません。が、♪骨までぇ~ 骨まで~ 骨まで愛して 欲しいのよぉ~ ‥‥いかに骨だけにする事ができるかが勝負です。食べられる骨は、喉に刺さらないよう注意しつつ、カリカリポリポリと出来るかぎり食べます!
最終的に残した骨が少ない者が勝者となる「半羽道」、頑張って極めていただきとうございます。中途半羽はダメよ、ダメダメ。‥‥あ、中途半端ね(笑)
ことわざにしてみるべし!
若鶏の半身をカレー味でカラッと揚げた食べ物、ということは、2つ食べたら鶏一羽を平らげたことになります。これ即ち一石二鳥ならぬ「二半羽一鳥(にはんばいっちょう)」。
間違った用例
「半ライスじゃ足りなくて、ふたつ頼んだのか? ‥‥お前はまるで『二半羽一鳥』だな!」
‥‥五文字なので四文字熟語としても成立していませんが、「字余り」ということでご容赦願えませんでしょうか?(笑) 他に、「半羽の道も一羽から」なんてのはどうでしょうか?
間違った用例
「最初からうまくいくことばかりじゃないよ、諦めないで‥‥。昔から『半羽の道も一羽から』って言うでしょ?」
「一羽から」の「から」は「唐揚げ」の「から」とも掛かっているというダブルミーニング? ロジカルな謎を秘めた「ひな鳥コード」な慣用句です。
四つの裏ワザを覚えておくべし!
脇道にそれすぎましたので、実用的な裏技をご紹介します。
ぶつ
半羽は大きすぎて食べにくいという方は、「ぶつ」とオーダーすることができます。ぶつにすると半羽を四分割して揚げてくれますので、食べやすいです。
カラッと揚がったカレー味の衣部分の表面積が増えるので(ケンタッキーフライドチキンのイメージ?)、カラッと好きならなおさら、オーダーはぶつが良いでしょう。
カット
おそらく本成寺店だけで頼める裏ワザで、揚げたての半羽を包丁で切ってもらう食べ方です(呼び方は違ったかもしれません)。
ぶつとの違いは切る順番だけみたいに思えますが、不思議なことに美味しさも違うのです。何と言いますか、ジューシーさがダイレクトで伝わる感じと言いましょうか。
とにかく、ぶつとカットの違いを実際に体感していただきたい! 試験に出ます! マーカー引けよ~!
手羽
こちらは見附の今町店の裏技。「手羽」は、半羽揚げと同じカレー味で手羽先部分だけを揚げたものです。
ビールのツマミとしては、半羽はちょっとオーバースペックと言いますか、かなりボリューミーすぎるのですが、手羽はアテにするのに最適です。半羽のジューシー感はありませんが、代わりにカリカリ感を楽しめます。
「骨だけ愛して」を極める鍛錬にもなるので、練習用メニューとしてもオススメ!かも。
2016年12月追記:手羽についてはこちらの記事もご覧ください。オキさんより「今町店のメニューには無かった」とコメントをいただいております。「見附の今町店の裏技」は、私の記憶違いだったかも?
鳥汁
お酒の後の〆としてイチオシなのが、本成寺店の「鳥汁」です。
塩味の鳥出汁スープに、具はネギと豆腐と鶏の骨(鶏ガラ)だけというシンプルな構成。これがねぇ~、旨いのよ。半羽と格闘しながら呑んだ胃袋に沁みるのよ。
細い中華麺なんか入れて鶏出汁ラーメンにしても良いのでは?と思うくらい、美味しいダシが出ております。あと、本成寺店は「アメリカンドッグ」も捨てがたいです。
そうだ、ひな鳥金子へゆこう♪
私にとっての半羽からあげは、「あなたのソウルフードってなんですか?」と聞かれたときにパッと思いつく一品です。一度と言わず二度三度と、ぜひ食べていただきたい逸品です。
個人的な想い出としては、幼少の頃のおつかいがあります。晩ごはんのおかずとして買いに行くことが度々あったのですが、夕方のお腹の空いてる時にあのカレーの香りはたまらなかったです。今となってはトラウマ的な? 意味が違いますか?(笑) 虎でも馬でもなく鳥だし。
大人になってからも、バンド仲間で早めに練習を切り上げて「ひな鳥金子へ呑みに行こうぜ!」って話になった時に、急いで楽器を片付けながら何だか異様にテンションが揚がってしまい、もとい、上がってしまい、ずっと全員が「かな鳥ひな子、かな鳥ひな子」と間違って呼んでいたことに誰も気づかなかったことがありました。その後、我々の間では「かな鳥ひな子」がひな鳥金子の愛称として使われております。ええ話や~。
そうだ、ひな鳥金子、ゆこう(「京都ゆこう」のノリでお読みください)。半羽の道も一羽から、極めれば半羽道。共に益々精進いたしましょう! ごちそうさまでした。
追記・ブツとカットについて
カットについての質問をいただいたので、この記事でもまとめておきます。
ブツとカットは、お店により注文できるかどうかが異なります。お店ごとに海辺のカフカ、いえ、対応の可・不可をまとめると、以下のようになります。
- 見附今町店
ブツ不可、カット可
- 三条本成寺店
ブツ可、カット可
- 東三条店
ブツ可、カットはおそらく不可(と思います)
カットは、イートインできるお店で、お店の中で食べていく場合のみ注文可能と思われます。また、注文できる場合でも、「ブツでなく、揚げたやつを切ってください」と伝えるのがよいです。
というのは、カットは私が勝手にそう呼んでるだけだからです。ひな鳥金子公認のネーミングではないので、お店の方に「カットで」と注文しても通じません。ご注意ください。
また、ブツは、春のサービス価格の期間中にはやってもらえません(繁忙期なので)。
あと、本社の養鶏場でも半羽揚げをテイクアウトできます。ただし、電話予約が必要です(0256-45-3734)。こちらも東三条店と同様にイートインできませんので、ブツのみ可と思います。
ブツとカットの違いについては、とても分かりやすいコメントを勝丸さんからいただきました。下にスクロールして、ぜひご覧ください。
ブツで頼むと揚げてる途中で1度引き上げて、4等分してから再度揚げるんで断面もカリカリになります。
お土産はこっちの方が肉汁が逃げないからおすすめ。
カット…自分は揚げきってからブツって言ってますが2度揚げしない為によりジューシー。
店で食べるならこっちが断然おすすめです。(゚∀゚*)
勝丸さん、コメントありがとうございます!(^^)/ ブツは2度揚げなんですね、知らなかったです。
(カット)揚げたものを切ってもらうのとの違いの謎が解けました。ありがとうございました。